オトシブミ(ナミオトシブミ)の揺籃づくり
午前中は天気がよいという予報を見て、やや足を延ばして沼田市の武尊山方面へと出かけました。標高が1000m付近では、フジが開花期でエゾハルゼミが鳴きだしていました。目的といえば、モクメシャチホコの卵か若齢がほぼ確実に得られる場所があり一番に向かってみますが、まったく見つからず、時期は丁度と思うのですが今年はどうしたことでしょう。まあ、と周囲の散策をはじめます。ヤマハンノキが多い場所で、ナミオトシブミが目につき、葉に揺籃も残されていました。ちょうど巻いている真っ最中の個体を見つけカメラを向けます。


揺籃づくりの断片的な撮影なので、特に定点で撮影する気もなく、あたりを散策しながら時折様子を見に行きました。
いよいよ終盤となり、ワイドレンズで環境を入れて撮影を試みました。

ナミオトシブミは揺籃を落とすタイプと落とさないタイプがいますが、かつて、新潟で見た個体群は、見る限り落とさないものがほとんどでしたが、赤城山で見られる個体群は落とすタイプでした。地域的な特徴なのかはよくわかりませんが、データ的に比較解析したものではありませんから感覚的なものです。地域的なものだとしたならば、この武尊山周辺も樹上に残された揺籃が目立つことから切り落とさないタイプだろうと決めつけていましたが・・・


巻き上げた場所の逆側に移動すると、葉柄の付け根をかじり始め、慌てて私も逆側からカメラを向けることになりましたが、ほどなくして揺籃は落下しました。
揺籃づくりも不思議に満ちていますが、落下させる意味すら、明確な理由がわからないオトシブミという小さな甲虫。
落下させるときは、自らが落ちないように残された葉柄にしがみつくことすらも、しっかりプログラムされているのが可愛らしいと感じます。