イモムシ研修会 横瀬町
霧雨が降り、気温も低いコンディションでしたが、埼玉県横瀬町の山中に行ってきました。
この場所は、私にとっての蛾の師匠となる横田さんが、学生時代から通っていたという場所です。
若手メンバーも参加し、横田さんの解説を聞きつつ、春の蛾類幼虫散策を楽しみます。

現地について、私が最初に注目したのはウスモンオトシブミでした。
一般的にはキブシをホストとし、摂食と揺籃づくりをしますが、その他エゴノキなどの記録もあります。
そこでは、ウワミズザクラに付いていて、明らかな食跡もあり、枝先で2個体を確認します。
蛾類幼虫にも当てはまりますが、食葉性昆虫は、依存する植物がいくつかの科や種にまたがる場合、依存性割合に地域性が生じることがあります。
ただ、ウスモンオトシブミについては、バラ科の記録自体、調べた範囲では確認できませんでしたが、興味深い生態を観察することができました。
ちなみに、キブシも多い植生環境でしたが、そこでの目視観察できる機会はありませんでした。

参加者が集合し、駐車場のケヤキの幹を見始めると、最初の発見はミドリハガタヨトウの幼虫でした。
春に孵化し、ケヤキの葉が柔らかいうちに成長して蛹化し、成虫は初冬の出現です。
顕著な夜行性で、昼間は樹皮でじっとしています。

遊歩道が整備されていて、道に沿った低木の葉を見ながら散策が始まります。

アセビの植栽が続く中、キシタエダシャク幼虫が目立ちました。

近縁のヒョウモンエダシャク幼虫も見つかります。
有毒成分が多いアセビを食べることで、目立ちながら鳥から身を守るタイプです。

枯れ枝に潜むウスキツバメエダシャク幼虫が見つかります。
自らの姿をよく理解しているかのごとく、細く直線的な枯れ枝で静止ポーズを決めていました。

体表の色彩や質感の表現も見事ですが、それを最大限に演出するこのポーズが素晴らしいと感じます。

サワフタギでは、ハガタムラサキエダシャクの幼虫が見つかります。
こちらは、やや曲がったゴツゴツした枝の質感表現が見事です。

そして、コブシの木に差し掛かり、定番シャクトリムシを探します。

「いました!」
頭をとがらせたオオアヤシャクが、そそり立っていました。
カムフラージュ系シャクトリムシの観察が、効率よくできました。

そのほかにも、いろいろと収穫があり、散策路を一周し出発点に戻ります。
各々が周囲で散策する中、私が木製看板の上に落ちていた、派手なケムシの抜け殻を見つけます。
横田さんに見せると・・・「ヒメシロドクガ?」
核心にはいたらずも、看板の上にはブナがあり、上を見渡し・・・「イター!」
高枝切りばさみが届くギリギリの枝先にいた、美しいケムシを採集します。

ブナ専門に食べるゴマシオケンモンではないかということになりました。
派手な体色が多いヤンモンヤガ亜科において、色数こそ少ないながら、なかなか美しいケムシです。
私はまたひとつ、新しい出会いとなりました。
2026.5.2追記
横田さんから連絡があり、結果的にヒメシロドクガとなりました。
当該幼虫は亜終齢で、終齢になると白い姿になるということです。

ライトトラップを行うので、駐車場近辺の植栽を散策しながら時間をつぶします。
ケヤキの葉が餃子のごとく器用に閉じられています。
コロギス類の仕業とすぐにわかります。
逆光を入れて、シルエットが出ないかといろいろ試します。

最後に中身を確認すると・・・
コロギス幼虫を期待しましたが、ハネナシコロギス幼虫でした。

イチモンジチョウの幼虫など、駐車場周りでも、かなりいろいろな収穫がありました。

さて、やっと暗くなった19時に点灯します。
雨もパラパラ降りはじめます。寒い・・・

蛾の飛来は少ない中、懐中電灯の明かりをたよりに、周囲の夜間散策にみなさん熱心です。
ケヤキの葉を食べる派手なシャクガ幼虫を見つけました。

この手の色彩は、ヒメノコメエダシャクかオオノコメエダシャクか、はたまたトビネオオエダシャクか?
大きさは2㎝ほどで、終齢期の色彩が出ていないのかもしれませんが、側部の赤いラインはこの手のシャクガ幼虫にはないパターンです。
育てながら、経過を観察してみたいと思います。


