田んぼとケラ

水田環境は湿地に代わるケラの生息場所としてそれなりに人間との共存が図られていますが、稲作の準備が始まる今頃は、田起こしや代掻き作業はケラにとっての攪乱を伴うこともあります。田んぼに水が入るとケラが浮いて泳ぎだすことは聞いていましたが未だ見たことがなく、昆虫の森の田んぼに水を入れると聞いて現場を取材をすることができました。

水が入れられる田起こし後の田んぼ

ゆっくりと田んぼに水が満たされていきますがケラの姿はなく、目立ったのはタンボコオロギの幼虫とコモリグモの一種でした。すると大きな虫で水面が波打つのが見え、やっとケラがお目見えしました。

水入れ後に現れたケラ

水がほぼ満たされたましたが、見つかったケラは5匹で「こんなものか」と思いながら、作業の邪魔をしてもいけないので「代掻きやってください」とお願いしました。粘土質の土壌ですから、ケラのトンネルに水が入らなければ浮いてこないので、代掻きをすればまた浮き出すだろうと思いながら作業がはじまりました。

代掻き作業

搔きまわされた泥水の水面にポツリポツリとケラの姿がありました。田んぼの外周を周りながらケラを集め始めると・・・なんと30匹以上も集まりました。やはり代掻きの威力はすごいなと。

代掻き後に浮き出したケラ

集まったケラを眺めながらの検証ですが、ほぼ成虫で幼虫が3匹ほど混じりました。そして、成虫はすべて小ぶりで翅が短いタイプでした。秋にライトに飛来するケラはどれも大きく1.5倍ほどの体格差があります。あのケラはどこに行ってしまったのでしょう。ケラには長翅型と短翅型があることで知られていますが、そもそも別種ではないかという説があります。この研究をされている知り合いがおりまして、今回、田んぼで採集したケラの成果をお伝えしてみようと思います。