結婚飛行が近いクロオオアリの巣

天気がよい日曜日となりましたが、この季節特有の強風です。午前中は昆虫の森をうろついて昨日の続きと思いましたが、さすがに風の影響で断念します。こういう日は風の影響がない地べたの撮影に切り替えて、近隣公園の今年注目しているクロオオアリの巣に向かいました。

クロオオアリの巣 OLIMPUS OM-1 ED7-14mm ISO1000 F13 SS1/60 ストロボ

かなり大きな巣で、畳2畳ほどの範囲に数えてみたら11個の巣穴がありました。結婚飛行が近い兆候として、巣穴の付近に働きアリが多く、見るからに緊張感が漂ってきます。門番の兵アリタイプが、にらみを利かせるように外の様子を伺っていました。

巣の周囲を伺う兵アリタイプ OLIMPUS OM-1 90mmMACRO  ISO1000 F13 SS1/125 ストロボ

ちょっと理解しがたい不思議な行動を目撃しました。兵アリタイプが普通の働きアリのアゴに噛みつき、引っ張り合いみたいなことになっていました。

働きアリのアゴに噛みつく兵アリタイプ OLIMPUS OM-1 90mmMACRO  ISO1000 F13 SS1/125 ストロボ

この時期は、巣穴からはい出たオスアリや新女王アリを、飛び立つには時期尚早とばかりに脚を引っ張って巣穴に戻す行動などが見られますが、何か緊張感からの異常な行動なのかもしれません。

小石を2匹で運び出す兵アリタイプ OLIMPUS OM-1 90mmMACRO  ISO1000 F13 SS1/125 ストロボ

兵アリタイプの働きアリが、その体格を生かして5mmほど小石を巣穴から運び出していました。しかも2匹の共同作業です。このあたりが、アリ社会の不思議なところで、何をするべきか、だれがやるべきかを個々が判断し行動しているところです。ちなみに、ノーマルと兵アリの2タイプの働きアリがどのように選別されて育てられるかはわかっていないようです。そもそも女王と働きアリも卵は同じなわけですから、社会生活を営むアリの世界は不思議だらけです。

巣穴から出てきた新女王アリ OLIMPUS OM-1 ED7-14mm  ISO1000 F13 SS1/60 ストロボ

15時を過ぎて、そろそろ撤収と思いつつ、注目していなかった巣穴を見てみると、新女王アリが数匹這い出していました。今日中に飛ぶことはないと確信しつつ、来週の巣の状況からは眼が離せなくなりそうです。