ツインストロボシステムとディフューザー検証 その2
数年前から使用している機材でGodox MF12-K2 マクロフラッシュ 2ライトキット があります。ワイアレス発光と発光部に充電式電池内臓が最大の特徴です。画期的な面もありつつ、使ってみると様々なことがあります。コントローラーは別売りでいくつかの選択肢があります。海外製品ということで、付属の説明書には日本語の説明はありますが、一般的な日本製品のような細かい解説はありません。マニュアルでの使用が前提ですから、カメラに同調して、それぞれの発光部の光量調節ができれば、基本的に問題はありません。しかし、コントローラーで各発光部の光量調整ができたほうが便利です。チャンネルが合っていれば発光します。さらにグループ設定をA-A B-Bとそれぞれ合わせれば、それが可能になります。最近はYOU TUBEでも取説動画があり参考になります。しかし、使っていると発光部が反応しなくなる現象が起き、さてどうしたものかと・・・代理店としてKPIが対処法のページを開設していました。
https://www.kenko-pi.co.jp/news/post-81.html
私の場合はコントローラーがX2Tで、「MODEボタンを押しながら電源ON」このリセット方法で回復しましたが、この記事がなければお手上げでした。仮に修理に出すという選択肢は、現在の時点では代理店を通した販売物のみの対応のようです。私はアマゾンで購入し、どこで買ったか今更わかりません。
レンズ先端への取り付け方法は、よくあるフィルター径のねじ込みアダプタを介した横スライドタイプです。私はこのタイプはまったく使う気にはなれませんが、ストロボシューと1/4ネジ穴取り付け用のアダプターが同梱されています。このアダプターがあることで使ってみようと思いました。しかし、この部品のプラスチックがもろく、早々にフランジ部分が欠けてしまいます。1/4ネジ穴があることが救いですが、この周辺部分も亀裂が入り、接着補修で何とか使っています。部品単位で購入できるとよいのですが・・・このあたりも代理店製品であれば可能だったのでしょうか。
さて、この発光部を、既存(以前紹介のSTF-8でのシステム)のグースネックとダブルボールヘッドに取り付けて使いたいところですが、グースネックの加重耐性に対して発光部の重量が重く、相性的にはいまひとつです。基本的な前面からの2灯であれば、小型のフレキシブルジョイントを間に挟むことで、発光部の自由度もそれなりにあります。
良い点としては、USB充電式は時代の流れもありつつ、使ってみてフル充電容量もそれなりにあります。発光部を追加購入で増やすことも可能です。LEDライト点灯も何かと便利な機能です。
ただ、内臓リチウムイオン電池の耐久性がいかなるものかは気になります。
さて、ディフューザーが付属しますが、やはり、それほどのディフューズ効果は得られません。

エツミ社製品のクリップオン用ディフューザーと取り付けの相性がよく、純正ディフューザーと併用すれば、かなりの効果が得られます。
光量ロスは絞り4-5段分相当ですが、今どきの高感度耐性が高いカメラ性能で考えれば、それほどのデメリットには感じません。ちなみにクリップオン用ディフューザーはソフト素材で変形しやすく、中にエアークッションを入れて形を保っています。透明ビニールですが、多少の光量ロスがあります。また、ディフューザーの繰り出し分をフレキシブルジョイントで下げています。

前回同様、フィギアでディフューズ効果検証をしてみました。自作のディフューザーよりも、エツミ製ディフューザーの奥行きがある分、発光部から距離がありますから、表面の反射と影を比較して効果はあるようです。



正面右側の取り付け部をUlanzi製ダブルボールヘッドにし、近接撮影でのフロント側の発光部として、隙間にも光が回るように低い角度にセットします。左側をJETONグースネックで発光部を離し、トップライトから逆光の照射角度にセットできるシステムを試してみます。最大倍率が2倍の90mmマクロを生かした、近接撮影に特化したシステムです。

トップライト強めの2:1の光量比で、庭の枕木をひっくり返して現れた土壌生物を撮ってみました。等倍ではフード先端から7cmほどの距離で、F13まで絞れば被写界深度もそこそこあって撮りやすい倍率です。以下いずれもトリミングなしです。



最短撮影の2倍になると、フードの先端から約4cmセンチの距離です。フロント側の光は、横方向ギリギリの照射角度になります。


高倍率の撮影に特化したシステムとして、ディフューズ効果を重視した野外での取り回しは悪くないかと思います。

