高崎市 観音山散策
天気も良く、気温が上がる予報を見て、思い立って向かった先は観音山ファミリーパークでした。
よく整備された公園ですが、一角にある、寺尾中城址を含む、現地の植生をそのまま生かした遊歩道を歩き始めます。

目に留まる虫も少なく、何も見られなければハイキングをしたと思えばよいと、気楽に歩きます。
ほどなくして、道脇にある集団が・・・「地獄虫だ!」
「地獄虫」という通称は、いまひとつ認知度が低いと思いますが、ケバエ一種の幼虫集団がうごめく、おぞましい様の表現としてうなずけます。

ケバエ一種幼虫の集団が目立つのは、まさにこの季節です。大型種のメスアカケバエ、ハグロケバエが比較的に目立つ種ですが、幼虫のサイズからいずれかではないかと思います。
成虫は五月連休あたりが発生期ですから、それからずいぶん時間が経過して、初冬に老熟を迎えます。

あらためて見ると、幼虫形態が面白く、その場で白バックで撮影しました。
幼虫の体長は15-18mmほどで、やや硬い外皮に棘のような硬い毛を有します。
一般的に、ハエ目の幼虫は、頭殻がないものが多いのですが、カブトムシの幼虫の頭を彷彿とさせる、立派な頭部があります。
腐植質を食物とするため、頭部と大顎が発達したのかもしれません。


この幼虫集団に、ずいぶん艶のある違う幼虫が紛れていることに気が付きます。
ヒゲコメツキの幼虫です。肉食性ですから、ケバエ幼虫を捕食するために紛れていたのかもしれません。

その後、寺尾中城址に登り、前橋市中心部と赤城山を北に臨みます。

そんな眺望を見つつ、目の前にカラスザンショウの低木と葉には食べ跡があります。「もしや・・・」と思いつつ幼虫を探します。
やや時期は遅いのでどうかと思いましたが、モンキアゲハの幼虫が見つかりました。

山道の遊歩道から、広い管理道に抜け、あずまやに差し掛かった時、再び「地獄虫」に出合います。
ここでも、ヒゲコメツキの幼虫が2匹も紛れていましたから、この時期の捕食対象として、それなりの関係性があるのかもしれません。

「頭隠して尻隠さず」基本的に表面上に出ているのは腹部の末端です。
末端部の毛が長いのは、防御の意味があるのかもしれません。
眼のように見える黒い点は気門のようで、うねうねと動き回る様は、まるでSF映画の怪獣さながらです。

一般的感性では「気持ち悪い?」
私にとっては、不思議!おもしろい!魅力的な対象との出合いでした。

