思わぬところでギンボシズスメ!
秋とはいえ、まだまだ暑い日が続きます。藤岡市方面にバッタ類の採集を試みて出かけました。自宅から近い、県の東部の桐生市にも渡良瀬川があり、それなりにバッタ類はおりますが、群馬県の中部から西部にかけての河川敷は東部とはだいぶ異なる環境で、ウスバカマキリが生息したりでなかなかよい場所なのです。烏川の河川敷の公園をいくつかめぐり、リバーサイド公園にたどり着きました。久しぶりに訪れましたが、割と管理が手厚いようで草刈りはきっちり行っているようです。サッカーグランドの輪郭にそって歩きながらトノサマバッタと追いかけっこをはじめましたが何しろ暑い!すぐに日陰で休憩したくなります。目的が急務とも言えないせいか、何か気合が入らない、暑さに完全にやる気をそがれた感じでうろついていました。そんなとき、足元から飛び出したのが交尾中のショウリョウバッタでした。しかも、メスは美しい斑入りタイプでしたので、這いつくばりながら広角で撮影し、何かやる気が出てきた感じです。
河川敷の公園をマップで調べつつ、次に訪れたのが玉村町の公園です。過去(10年以上前)には、カワラバッタを見つけたこともあり、期待をしつつ河原に足を踏み入れますが、だいぶ環境は変化していました。浸食の影響か、以前のような石がごろついた広がりのある河原の姿はなく、草がずいぶん茂っていました。メドハギが多く生えていたので、ヒメシャチホコの幼虫でもいないかと探してみますが見つからず、代わりに見つかったのがシジミチョウの幼虫です。おそらくルリシジミだと思いますが(後の羽化検証でツバメシジミでした。9/26)、クロヤマアリが3匹群がっていました。
さて、本題はここからですが、玉村町の農地周辺でカジノキが多いと感じていました。そして、ここの河原に来るとカジノキがさらに多く自生していました。カジノキと言えば・・・・蛾屋さんだったらすぐに思い浮かべるのがギンボシスズメです。8月の中旬に榛名山の麓でライトトラップをやった知り合いが、ギンボシスズメが3匹飛来したという話を聞いていました。「群馬県にもいるんだ!」と思いつつ、これだけカジノキが多いこの場所で幼虫を探さないわけにはいかないと散策をはじめます。探し始めてすぐです。「いたーー!」と思わず叫んでしまいました。
まさかと思いたくなるような、奇跡的なイモムシ発見となりました。のちにいろいろ調べてみましたが、沖縄から北海道まで分布域がありますが、ネット上では沖縄地方が記録が多いようです。本州ではかなり局所的な分布を示すようですが、群馬県でもまさに玉村町での2011年の記録がありました。思わぬところで、レアなイモムシとの出会いの感動を久しぶりに味わい、最高のしめくくりとなりました。ちなみに「一匹見つかればもっといるだろう」と周辺を探しますが追加の発見はありませんでした。