元旦 初歩き 冬越し昆虫散策

風もほぼなく、よい天気に恵まれた元旦。この日に昆虫の森を歩けるのも今年が最後と思い、朝から冬越し昆虫散策に出かけました。昔はカギシロスジアオシャクを探して丹念に枝先を見たものですが、眼も悪くなり、集中力の持続もなくなり、せいぜい樹皮はがしなどざっくりとした散策開始です。ムクノキのめくれた樹皮をはがしたらヒシモンナガタマムシが見つかりました。

ムクノキ樹皮下で越冬中のヒシモンナガタマムシ

アカマツの倒木樹皮下からは、型の良いヒメマイマイカブリ♀が現れます。越冬の姿として、樹皮下に見事な部屋をこしらえての画に憧れますが、未だ達成できていない課題です。垂直面ではポロリと落ちてしまったり、平地の冷え込みは浅く、すぐに動き出してしまいます。

アカマツ倒木樹皮下で越冬中のヒメマイマイカブリ

ちょっと目線を変えてユズリハ葉上でアカウラカギバの幼虫を探してみます。以前は公園植栽の大きな木で必死に幼虫を探しても見つかりませんでしたが、苗木を園内に数本植えてからは、毎年ほぼ確実に見られるようになりました。

ユズリハ葉上で越冬中のアカウラカギバ幼虫

その後、丸太を起こして裏側を見ていきます。雑木林の林床ではなく、硬い地面に設置した丸太の下には、オサムシ類やセンチコガネがよく越冬しています。写真は割愛しますが、最初に見つかったのはヌマガエルです。5年ほど前から一気に増えた両生類です。これも温暖化における分布の変化でしょうか。その次の丸太の下には意外なものがいました。トンネル状の空間があり、中には飴色の何かが・・・アブラゼミの幼虫です。こんな形で出会ったのは初めてです。

丸太の下の土中にいたアブラゼミの終齢幼虫

そういえば、この近くに・・・園内では少ないヤブニッケイがあり、以前にその葉裏でミノオキイロヒラタヒメバチが越冬していたことがあったので、その場所に向かいました。数年ぶりですが、以前より低い位置の枝ぶりがずいぶん疎な感じになっていて期待も薄いと思いつつ葉裏を見ていくと・・・「いました!」カシ類、ツバキといった常緑樹全般で見られますが、やはり集まる木の環境条件があるようです。

ヤブニッケイ葉裏で越冬中のミノオキイロヒラタヒメバチ

3時間ほどの散策でしたが、よく知ったフィールドだからこそ効率よく見つけられるわけです。ただ、新たな地で虫さがしもまた新鮮なものです。今年は新たなフィールドに出かけて、たくさんの虫たちと出会える年になるとよいなと願うばかりです。

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