ぐんま昆虫の森 散策
ここ数日は、夕方に雷雨が多いので、お昼前からぐんま昆虫の森を歩きました。雑木林を歩くと、今年はかつてないほどナナフシが目立ちます。先週あたりから成虫が見られるようになりましたが、今日は圧倒的に成虫が多く、いよいよ夏の虫の季節が始まったという実感が湧きます。コナラの低い枝先で、羽化直後に抜け殻を食べるナナフシを見つけました。

完食寸前で、細い脚部の抜け殻を器用に食べていました。

雑木林を抜けて、かやぶき民家前の原っぱに出ると、キリギリスの声が響きます。林縁をオオムラサキが横切る姿も見られました。夏の到来を虫たちが教えてくれます。
果樹園を歩き始めると、ニイニイゼミの抜け殻がいくつか見つかります。

見下ろした時に、対称になったYの字型の亀裂とその中に覗く気管が、新しい抜け殻を物語り美しいと感じました。

先週までは見られなかったクビアカツヤカミキリも、一気に相当の個体数が現れます。
果樹園から一度離れ、日陰で涼んでいると「チィーーー」と果樹園のほうからニイニイゼミの声が響いてきます。数個体が鳴きはじめたようで、そんな姿を求めて再び果樹園に向かいますが、林縁のクワの高い場所にいるようです。その時、低い果樹から鳴きだした声に気付き、探し始めますが敏感ですぐに鳴きやんでしまいます。一旦離れてクビアカツヤカミキリの撮影をしていると、再び先ほどの果樹から声がしたので慎重に近づきます。かなり間合いを詰めて、声の主は間近のはずですが見えてきません。枝の裏側か?と思いきや、本当の目の前で私に背中を向けて鳴いていました。

見事な樹皮のカムフラージュですが、恥ずかしながら目の前にいながらすぐに見つけられなかったのは、歳のせいかと疑いました。
見つけづらかった要因として、この個体は新鮮であることもあり、体の表面に鱗片が付着していて、さらに樹皮と同化しています。

次第に鱗片は剝がれ、胸部背面の模様が明瞭に現れてきます。