ハラグロオオテントウ
ハラグロオオテントウの関東への分布拡大は、近年の話題として注目されていますが、群馬県では3年くらい前から確認されています。早く見てみたいという気持ちがあり、数年前に神奈川県の発生場所に出向き成虫は確認していましたが、6月で新成虫が出そろった頃で、その他ステージは見ていませんでした。
23日、桐生市民広場に立ち寄りました。渡良瀬川河川敷につながり、虫さがしに良さそうな場所です。

単なるロケハンで、何を探すという目的はありませんでしたが、大きなクワの木が目に入り、思いついたのがハラグロオオテントウでした。クワキジラミが捕食対象ですから、縮れた葉の近辺を見上げながらそれらしきものを探してみると、前蛹と思われるものが目に入りました。車に戻って高枝切バサミ持参で回収すると、まさにそれでした。

一匹が見つかれば、さらにということになりますが、前蛹の追加と、成虫が見つかりましたが、成虫はかなり古い個体で、ちょうど世代交代の時期です。

活動中の幼虫など見てみたいと思いましたが、それ以上の成果はありませんでした。回収した前蛹は翌日には蛹化し、新鮮な蛹の姿を撮影することが出来ました。

さて、ぐんま昆虫の森ではどうなのだろうと思い、24日にクワの木を確認しに行きました。いつもは素通りしていたクワの木を見上げながら探します。ほどなくしてクワキジラミが発生した葉裏で終齢幼虫が見つかりました。そのほか、様々な大きさの幼虫も見つかり、まだ繁殖シーズンの真っただ中という感じです。

さらによく見ていくと卵塊も見つかり、ハラグロオオテントウの全ステージをコンプリートすることが出来ました。

たまたまの着眼ですが、虫の世界は多様すぎて、どこに目を向けるかで夢中になれるものは無限だなと感じます。