北本自然観察公園 散策
梅雨入りしたばかりと思いきや、晴れるという予報を聞き、出かけようと決めますが、さて何処へ。本当になんとなくですが、北本自然観察園に向かいました。いつか行こうと思っていた場所です。

1992年に開園し、32.9haの荒川に近い湿地です。ヨシを中心とした抽水植物が茂った水辺と社寺林的森林が入り混じった環境で、こういった自然公園としては群馬県の茂林寺沼と似ていると思いました。
着いて早々にオギの葉裏に目立つ色彩のシャクガを見つけました。

ぐんま昆虫の森では見かけない種類です。その場では種名はわからず、後に調べてみるとシロジマエダシャクでホストはモチノキであることがわかりました。モチノキは照葉樹林帯の植物ですが、公園植栽にも用いられます。分布は広いようですが、関東平野部の樹林だからこそ見られた思うと、ここまで足を延ばしてよかったなと思いました。ちなみにNEOイモムシ・ケムシには未掲載種で、今後、幼虫を探してみたいと思いました。
園路を淡々と歩きつつ、ちょうどアオヤンマの最盛期で抽水植物の間を縫うように飛ぶ姿が見られました。カメラを向けるスイッチは入らずですが、最近のカメラ機能を駆使して、トンボの飛翔なども撮らなければと反省点を残します。
道脇のムクノキの低木でバイバラシロシャチホコを見つけました。

ぐんま昆虫の森ではシロシャチホコと混在する話を先日6/8に触れていますが、埼玉県の平地で褐色が濃い特徴であればバイバラシロシャチホコで間違いないかと思われます。
そして、園路が一般道に突き当たる手前の民家脇、物置の壁に絡むフジに目がいくと、派手な食痕が目立ちます。

周辺の葉をのぞき込むと・・・巨大なオオエグリシャチホコの幼虫が見つかりました。まあ普通種ですが、大きなイモムシが見つかるとうれしいものです。

この一角は大当たりで、終齢幼虫が3匹、1齢期、中齢期と、世代がばらけて見つかりました。

シャチホコガ科の多くは、若齢期に葉脈を残す特徴的な食痕を残しますが、似たような食痕をタテハチョウ科の一部も残します。

マメ科がホストのコミスジも見つかりました。食べ残した葉を葉脈に付けることでカムフラージュします。
やはり、視線は枝先や幹などを見てしまい、イモムシ・ケムシ探しの癖が染みついています。もっと広い視野で歩けば見えてくるものも違うのかなと思いました。