ぐんま昆虫の森GW2024 「飼育講座」

4月27日(土)初日のイベントでは私が担当する「ナナフシ飼育講座」があり、午前午後2回開催しました。1齢幼虫3匹を配布し、飼い方の説明を30分程度行うというものです。かれこれはじめて十数年目ですが、お客様には大変喜んでいただいている講座です。「ナナフシを飼ってみたい!」と思うお客様は、本当に昆虫が大好きな方々で熱心さが伝わってきます。今年は5月4日(土)も併せて2日間、計4回開催し、各定員25組がほぼ埋まりました。その準備では、ちょっとした想定外がありました。講座では「産卵した卵が飼いきれない場合は、近くにばらまいたりせず持ってきてください」と地域個体群遺伝子保存や飼育マナーとしての呼びかけをしていますが、毎年、かなりの数の卵をお客様が返納?してくださいます。過去数年は、その卵から孵化した幼虫を配布用に使用していて、今年においてもかなりの数の卵があり屋外保存で孵化待ちをしていました。ところが・・・開催日が近づく中、いっこうに孵化せず。「これはまずい!」ということになり、慌てて野外で孵化した幼虫を回収するということになりました。飼育スタッフの協力を得ながら数日間かけてようやく300匹を採集し事なきを得ました。このあたりの生きた教材準備は、毎回のことながらハラハラします。

5月4日開催「ナナフシ飼育講座」

4月29日(月)は「ヤママユガ飼育講座」を開催しました。この講座は1回で定員30組としましたが、ここでも想定外の出来事が・・・参加される方々の飼育環境を考えて、ブナ科よりもバラ科のサクラが餌として入手しやすいだろうと考慮し、孵化幼虫にサクラを与えた状態で配布しようと計画しました。図鑑では食草で「サクラ」の記述は定番ですし以前に私もサクラの枝に袋掛けして飼育した経験があり、なんら問題ないと考えていました。しかし、1齢幼虫のサクラへの食いつきは顕著に悪く、徘徊したり、同世代で比較してクヌギ・クナラを食べたものと成長率が著しく悪いということがわかりました。開催日ギリギリになって飼育リーフレットの手直しや解説内容の修正を行うという事態となりました。結果的にサクラに食いついた幼虫を配布しましたが、講座では「クヌギ、コナラ、カシ類に餌の変更をお勧めします」と強調させていただきしのぐこととしました。いろいろとやってみないとわからないもので、この歳になってもまだまだ経験の積み上げだと切に感じつつ、ひとつ得たこととしてポジティブにとらえることにしました。

「ヤママユガ飼育講座」配布セット