ヤマトホソヤガ

9/5に庭のコナラで見慣れないイモムシを見つけました。体長20mmほどです。

ヤマトホソヤガ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/250  F10

特徴的な体色から、かつて見たことがない種であろうと思い回収しました。これが、緑色や褐色の単色だったとしたら、そこまでしなかったと思います。

数日後には老熟して、容器の底に詰めたティッシュに潜り込みました。数日後に蛹になっているのを確認しましたが、これが越冬蛹だったりすると、かなり気の長い長期戦で、蛹の保管などに気を使います。羽化してくれることを願って、目立つ場所に容器を置いておきました。

9/24無事に羽化しました!「うーん?」特徴はそれなりにありますが地味な蛾です。ヤガ科であろうというところで図鑑と照らし合わせますがギブアップします。すぐに頼りがちですが、蛾の師匠の横田さんに画像を送りました。

ヤマトホソヤガ TG-7

即答で「ヤマトホソヤガ」の回答と、関東では山地での記録がある中で、最近、川崎での記録があるとのことでした。あらためて蛾類図鑑の記述を読むと局所的分布とあります。ネット上の情報では圧倒的に西日本での記録が多いようです。

寄主植物はクヌギとありますが、まあコナラにいましたから、どちらも利用しているのでしょう。局所分布の割に寄主植物はいたって普通というのが興味深く感じます。

ヤマトホソヤガ OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/250  F13

羽化直後は翅を広げていましたが、静止しているときはずいぶんと雰囲気が変わります。なるほどホソヤガです。

そんな姿を庭で撮影しつつ、クヌギの枝先を見ると若葉を綴った巣がありました。その巣を開くと幼虫が現れました。

ヤマトホソヤガ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/250  F13

どうやら、造巣性があり、柔らかい葉を好むようです。しかし、季節的にこのような状態の若葉は当然少なく、強剪定や伐採後の萌芽など、人的な作用がなければ、基本的には起こらない植物生理です。

ぐんま昆虫の森の畑には、低く仕立てたクヌギの一角があり、もしかしたらと思い9/25に様子を見に行きました。

ぐんま昆虫の森内 クヌギ OLIMPUS OM-1 30mmMACRO ISO2500 SS1/250  F9

枝先に食痕が目立ちます。

ぐんま昆虫の森内 クヌギ OLIMPUS OM-1 30mmMACRO ISO2500 SS1/250  F9

綴られた巣から顔を覗かせながら葉を食べる幼虫の姿がありました。

食痕の様子ではかなり発生していることがうかがえます。

昨年の今頃は、遇産種のシンジュキノカワガが多く発生していましたが、今年はまったく見られません。

このヤマトホソヤガの発生も一時期的なものなのか、今後も経過を観察してみようと思います。

西日本では、2月の成虫記録があるようで、成虫越冬なのでしょうか?

9/30(追記)

なんと、自らが参加した小学館の図鑑NEO「イモムシとケムシ」掲載種でした。鈴木さんが撮影執筆箇所でしたので気付きませんでした。

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