昆虫がいそうな環境写真
今年は季節の展開が早く、ここ群馬の桐生市でもサクラが散り始めて、新緑の時期を迎えつつあります。本格的な虫たちの季節の始まりでもあり、車を運転しながら周りの風景が気になります。というのも、いわゆるきれいな風景写真をもとめているわけではなく、いかにも昆虫がいそうな環境写真を撮ることを日々意識しているからです。それは、家屋が写りこむような雑多な景観でもよいわけで、身近にありそうでなかなかない、いかにも昆虫がいそうというか、実際に昆虫がいるという環境を常に探し求めています。肉眼で見た印象とカメラを通してみた世界は違うわけで、画として切り取ることの難しさを感じつつ、常にイメージした環境を探し求めています。近隣の岩宿遺跡の近くをたまたま通りかかると、車窓から見えたサクラと土手の菜の花がちょうど見ごろのようでした。公園なので駐車場に車を止めてその場所まで行ってみると、それなりの賑わいで、花見をする人たちが行き来していました。土手の階段を下ると、そこはまさにビューポイントで、誰が撮っても同じ写真と思いながらも、春の景観を楽しめました。
すると、目の前の菜の花にセイヨウミツバチが飛来し、思わず写欲スイッチが入ってしまいます。たまたま雲が陽を遮って、ややコントラストのない画になりつつも、環境と虫を絡めた春らしい画を撮れたと思います。オリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROは、広角ズームでありながら近接撮影ができるという点で優れもののレンズです。
土手の下に広がる田んぼと、タンポポの群落が目に入り、直感的に「なんかいい場所だ!」と感じ、田んぼまで下りて散策します。そこには、ナナホシテントウがたくさんいて、桜並木が背景となり、「春の虫さがし」という思い描いたイメージにかなり近い環境が広がり、何か、探し求めていたものにたどり着けたような満足感を感じました。灯台下暗しというか、近隣でも未だ知らない良い場所はあるものです。