トビイロリンガの幼虫
見下ろしたアラカシの鉢植えの葉に、特徴的な食痕を見つけました。葉の縁からではなく、内側から穴をあけるように、しかも、よほど硬い葉脈がきらいなのでしょうか。結果的にこのような食痕を残すのがトビイロリンガの幼虫です。食痕のあった葉裏に幼虫の姿はなく、近くの葉をめくっていくと、幼虫の姿がありました。常緑のカシ類は越冬幼虫探しのまさに宝庫で、カギバガ科のスカシカギバ、ウコンカギバ、ウスギヌカギバ、そしてシャクガ科のカギバアオシャクなどなどが利用します。ただ、このトビイロリンガが昆虫の森内で目立ち始めたのはここ数年です。ライトトラップに初めて成虫が入り確認できたのが2015年でした。それでも幼虫の姿は見つけられずにいたのですが、8年が経過し、現在ではブナ科の葉にこの目立つ食痕は割と普通です。