ロケハン佐野市旗川

「昆虫がいそうな環境」という私なりの撮影テーマがあり、いかにも虫さがしに足を踏み入れてみたくなると思えるようなイメージを常に追い求めています。いつもであれば、たまたま訪れた環境で、行き当たりばったりのインスピレーションで撮影していますが、以前から北関東自動車道を走行しながら出流原あたりで見下ろした川の景観がよく、気になっていました。あらためて地図上で確認し「旗川」ということがわかり、天気がよい休日と重なり朝からロケハンに出かけました。群馬県桐生市から東に1時間圏内の場所ですが、目的地に近づくにつれて、何か群馬県とは違う地域性というか、一級河川と田園が織りなす独特な空気感を感じました。

「旗川」に架かる橋をいくつか見て回り、イメージに近い環境と出会うことができました。浅瀬が広がり石の河原と緑地が混在するという環境です。子供が水遊びをしながら虫さがしも楽しめるというイメージに合致しました。

佐野市 旗川

河原に下りてみると、トンボ類はコオニヤンマが見られ、草むらでは無数のキリギリスが鳴いていました。知名度の高いキリギリスですが、全国的に市街地ではすでに見られない虫となりつつあります。群馬県でもそれほど普通には生息していませんが、ここでは、その個体数の多さに驚かされました。ただ、感覚的に「多い」という根拠は鳴き声で、いたるところで鳴き声は聞こえますが、ほとんどが高い草地の中で鳴いているため、その姿は簡単には見つけられません。景観を求めていくつかのポイントをめぐる中、最後に河川敷にある運動公園を訪れました。草刈りがされた管理地でしたが、ここでもキリギリスは多く、セイバンモロコシの株の中で鳴く個体をようやく目視で見つけることができました。「炎天下の草地とキリギリス」夏らしい情緒を感じつつ、よい取材ができた満足感が得られました。猛暑の中での取材で年齢を考えて無理をせず、ほどよい疲労感と熱中症予防を考えて昼前には帰路に就くこととしました。

セイバンモロコシの株間で鳴くキリギリス

明日からは、ぐんま昆虫の森はメンテナンス休園日となり、展示の切り替えとなります。老体にはきつい肉体労働の一週間です。今回は1-2-3階のフロアーがすべて模様替えとなります。3階は企画展「たのしい昆虫飼育(Part1)」2階は「セミたちの夏」1階は「カブト・クワガタ展」すべて自分が担当し製作した展示となり、いよいよ集大成という感じでしょうか。夏休みに来園されるお客様が楽しんでいただけら幸いです。

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