タガメ産卵の珍事
タガメのペアリングをしながら、朝に産卵のチェックをしている時でした。水槽を上から見て、「ああ、産んだんだ」と卵を確認しつつ、何か違和感を感じました。卵塊が、産卵用に入れた木から浮いているように見えたからです。よく見ると、枝にしがみついたメス個体の背中に卵塊が産み付けられているからそう見えたのでした。まぁコオイムシ科ではありますが、なかなかの珍事だと思います。卵を背負っているのはメス個体で、過去に同様な現象の記事をどこかで見たような気がしますが、ネット上では見つかりませんでした。過程を想像するとそれはなんとも不思議な光景だと思います。タガメの産卵行動はせわしなくも、それなりの時間を要する行動ですから、枝にしがみついて全く動かないメス個体と、その背中で産卵行動を起こすペアがいたわけです。背中に卵を産み付けられながら動じなかったメスの意識と、同種のメスの背中に産んでしまうペアの判断とはいかなるものだったか気になるものです。