裏高尾 ライトトラップ
高尾山から奥多摩にかけて、とてもよい植生ですが、ライトトラップの適所が見つからず苦労しています。ゴマダラシャチホコはモミがホストですから、モミがまとまってあるような地域が本来のポイントなります。日影沢は標高を上げるとほぼスギの植林ですから、林道入口に近い場所のほうがモミが点在し、期待を込めてライトトラップを行いました。

昼間の登山が影響して、ライトトラップ設置後はしばらく動けずにいましたが、20時を過ぎたあたりから蛾の飛来が始まりスイッチが入ってきました。仲間のMさんがお子さんを連れて途中から参加していただき、楽しい雰囲気で蛾の飛来を待ちます。

黄昏飛翔性が強いアゲハモドキがさっそく飛来しました。

続いて、トサカフトメイガが飛来します。普通種ですが、幼虫が目立つ割には成虫は見つけにくい種類です。私は成虫を撮影できていませんでしたから、けっこうテンションが上がりました。

シャチホコガ科全般の飛来が意外と少ない中でギンシャチホコ、バイバラシロシャチホコが飛来しましたが、最も多く飛来したのがタカオシャチホコです。

まさに高尾山が和名に刻み込まれたシャチホコガです。ここに来てこの蛾と出合うことは、何か格別な思いを感じます。ホストはエノキですが、そんなことが解明されたのもそれほど昔の話ではありません。
大きなアツバ飛来します。一見してオオシラホシアツバのように見えましたが、紋がくっきりとして大きいことに気付きます。

その場で調べ、マルシラホシアツバであることがわかりました。私は初めて見ることになります。幼虫形態もホストも未知の種です。
飛来のピークも落ち着いた21時過ぎになって大物が来ました。キオビゴマダラエダシャクです。

本命とはゴマダラ違いですが、擦れていない美しいメスでした。
22時まで続けて撤収し帰路につきましたが、濃厚な内容の一日でした。本命には出会えませんでしたが、いつかどこかで絶対に合えるという夢を持って、ライトトラップを楽しんでいきたいと思います。