榛名山 散策後ライトトラップ
気温が上がっているここ数日、ライトトラップをやりたいと考えていたところで、17日は夕方から榛名山に向かいましたが、とんでもない局所的豪雨に見舞われトンボ返りで引き返すという事態となりました。天気予報と雨雲レーダーを気にしつつ、昨日に再び榛名山の山頂に向かいました。
日の入りが遅いこの季節、暗がりを待つ時間が長いので、夕方に現地入りし、ライトトラップの場所を探しをしつつ周辺を散策しました。
道路脇のツリガネニンジンらしき植物の先端部に4-5mmほどの黒っぽいつやのあるカメムシが目立ちます。

一見、甲虫を思わせるような光沢と、赤い脚部が特徴的です。平地では見かけない種類でしたからすぐにカメラを向けます。敏感で、気配を感じると葉裏に素早く隠れるという、なかなか撮影しづらい対象でした。カメムシ図鑑が手元になく、様々な検索ワードを入れてやっと種名にたどり着きました。
だいぶ日が傾き、夕暮れの木道を歩きます。

ゆうすげ湿原を訪れるのは、20数年ぶりだと思います。群馬に移住して間もないころ、群馬県立自然史博物館主催の観察会で講師として参加し、この木道を歩いたと記憶しています。おそらく夏休み向けですから、7月20日頃ではないかと思いますが、ドロノキハムシを初めて見たことが印象に残っていました。そんなことを回想しつつ、歩き出すとほどなくしてドロノキハムシがいました。

当時の環境と変わったといえば、遷移が進んでミズナラなどの幼木が多いと感じましたが、20数年を経てと考えると大きな変化とも思いません。一角にヤマナラシの幼木が多産する場所があり、ドロノキハムシも多産していました。
撮影しやすい個体を見つけてカメラを向けていると、下から別個体が近づき、ほどなく交尾を行いました。

周辺の個体も交尾している個体ばかりで、時期と時間帯がまさにドンピシャだったみたいです。
小さな蛾がたくさん舞っていて、葉に止まったところをのぞき込むと、とても美しい色彩であることに気付きます。

図鑑「くらべてわかる蛾」で調べてみると「ギンスジヒメハマキ」と判明します。この図鑑はこの手の小蛾類を調べるのにも大変役立ちます。

PCモニターで翅の模様を見ると、銀色部分の鱗粉に立体感があることに気付きました。
木道脇のバッコヤナギの葉裏で褐色のイモムシにアリが集まっていました。

明らかにシジミチョウ科の幼虫ですが、種名がわかりません。イモムシハンドブックを見ても該当種がわかりませんでした。そもそもバッコヤナギを食べるシジミチョウ科がいたか?という疑問がありましたが、食痕が周辺になかったので、ホストとも限らず、たまたまいたのかもしれないとかいろいろ考えつつ、「シジミチョウ科」「バッコヤナギ」で検索すると出てきました。ヒメシジミはシジミチョウ科の中では超広食性でした。山地では普通種でありながら、完全に情報の欠落でした。まだまだ勉強不足です。ちなみにイモムシハンドブックには緑色型が掲載されており気付きませんでした。

さて、ようやく暗くなりライトを点灯します。19時30分で気温は24℃、風がやや強いというコンディションです。20時を過ぎたあたりからポツリポツリと飛来が始まりました。

大物ではエゾシモフリスズメが早々と飛来しますが、9時までの時間帯で飛来数は少なく、特に変わったものは来ませんでした。ライトトラップの成果は時の運です。やらずして成果も得られず、やれるときにコツコツとやり続けることが大事です。