ぐんま昆虫の森 散策
いよいよ梅雨明け宣言が出て、最高気温は30℃超えの予報です。これからのシーズンの野外散策は備えと覚悟が必要だと感じます。飲料水は1リットル持参して、ザックがやや重たく感じながら開園直後から散策をはじめました。
連日、何かと発見が多いリョウブから見に行きました。オオキンカメムシはとどまっていて花から盛んに吸汁しています。もう、花の時期も終わりですが、花が終わったらどこかに行ってしまうのでしょうか。経過観察を続けてみたいと思います。

アカハナカミキリとは異なる赤いカミキリムシが飛んでいます。触角まで全身真っ赤な姿はクスベニカミキリでした。時間帯がよかったのか、数年ぶりに再びこの木で出会うことが出来ました。


幸先良いという感じで、北に向かって歩き始めます。園路に張り出したハンノキの枝先で、イモムシの気配を感じました。

ルリモンシャチホコの幼虫です。クヌギ、コナラに多いナカキシャチホコにそっくりですが、ハンノキにいれば間違いなくルリモンです。
7月6日にいい光景が見られたクヌギの純林を見に行きました。

カブトムシのペア!?ではなくメスはノコギリクワガタです。オスは攻撃もせず、小さな樹液の餌場を共有する姿はほほえましくも感じます。
かやぶき民家で休憩しつつ、さて何処へやらという感じで、炎天下の桑畑を眺めます。暑そうだなと思いながらも、トラフカミキリを探してみようと思い立ちました。

幹や葉の上をくまなく探すのが有効ですが、なんと飛翔する個体が先に目に入りました。枝が混んだ幹に入り込み、とりあえずという感じで画にもならない撮影をしていましたが、葉上にいる個体が見つかります。

カメラを向けますがすぐに飛び立ち追いかけます。

クワの葉上に止まりますが、ちょうどよい日傘の下で、やはり日影が心地よいのでしょう。しばらくはそこから動きませんでした。
撮影に夢中になっていると、炎天下にいることさえ忘れますが、一段落して我に返ると、どっと疲労感が増します。さて、多少は涼しい雑木林に向かいます。その入り口にカラスザンショウの高木があるのですが、ちょうど花が咲き始めて、何やら虫たちでにぎやかです。リョウブの花が終わりかけ、新たにカラスザンショウが花のピークとなり、放花昆虫の餌場が継投されていることの自然の仕組みに感心します。

低めの枝先の花に大型のカミキリムシが目に入り、すぐにカメラを向けます。

撮影しているときは、アオカミキリだと思っていたのですが、画像の検証をしていたら何やら特徴がオオアオカミキリ?と感じ始め、細部検証したところ、どうやらオオアオカミキリのようです。アオカミキリの発生期はすでに終盤で、オオアオカミキリがこれからのようです。カラスザンショウの花に集まるという点でも生態的にオオアオカミキリの特徴です。園内では初めて見ることになります。何かとカミキリムシと縁がある散策でした。

この時期、暑い中でもこうやって歩いてみれば、様々な発見があることに今更ながら気づかされます。昨年の今頃何をしてたかなと、1年前のブログを振り返ってみれば、展示切り替えの話題のみで、まったく散策どころではない忙しい日々だったと振り返りました。