田貫湖 散策

翌日は富士山の西側に位置する田貫湖に向かいます。

人造湖に面したキャンプ場があり、土曜日とあってにぎやかな雰囲気です。標高は660mで、周囲の山はスギの植林と広葉樹林が入り混じった環境ですが、遊歩道に面した低木が多く、幼虫探しには良い場所です。

田貫湖 TG-7

歩き始めて早々に、カエデの植栽をのぞき込むとヒロズイラガ幼虫が見つかります。

以前は、割と珍しがられましたが、横田さんによると、最近になって発見例は多いとのことです。

ヒロズイラガ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/250  F10

スイカズラを食べるオビヒトリの大きな幼虫が見つかります。

オビヒトリ OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/250  F10

イラガ類では、アカイラガとクロシタアオイラガの幼虫が各種樹木で多く見られました。

クロシタアオイラガ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/160  F8

クマザサの表面に派手な毛虫が!ウスベリケンモンの幼虫です。

おそらく夜行性で、昼間に見つかることは稀で、私もこのサイズの幼虫を野外で見たのは初めてです。このまま越冬に入るようです。

ウスベリケンモン幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/160  F10

その先のクリの木が当たりでした。横田さんがナカキシャチホコを見つけ出し代わる代わる撮影していると・・・

ナカキシャチホコ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/160  F8

横田さんが「あっ!ツマジロがいた!」と叫びます。

ツマジロシャチホコ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/250  F8

高い場所だったので、枝を切り落として固定し、撮影会です。

田貫湖 外周路 TG-7

ミズキの低木を眺めていた時、何やら見慣れないものが・・・

ホリハバチ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/160  F6.3

一瞬、見たことがない蛾類幼虫か?と驚きましたが、冷静に見るとハバチ類幼虫と気づきます。しかし、ハバチ類幼虫であっても、かつて見たことがありません。

これだけ派手で、しかも集団形成の大型種です。すぐに種名はわかるだろうと思いましたが、意外と難関でした。情報量は極めて少ないと思います。

https://www.kahaku.go.jp/research/publication/zoology/download/50_2/L_BNMNS_50-2_69.pdf

蝋状物質をまとわない単独の個体もいました。

ホリハバチ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/160  F6.3

横田さんが、アズマネザサに付くサトキマダラヒカゲの幼虫を発見します。2個体がおり、これも本来夜行性で、昼間に見つかることは稀です。

サトキマダラヒカゲ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/125  F6.3 ストロボ

大きなカエデの枝先でクロエグリシャチホコの幼虫を見つかります。

クロエグリシャチホコ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO5000 SS1/100  F5.6

歩き始めて3時間以上経過していますが、収穫がありすぎて、なかなか湖を一周することができません。

歩道に面した植栽は延々と続きますが、やや速足ながらも見ていくと・・・

またしても横田さんがハイイロシャチホコの幼虫を見つけ出します。

ハイイロシャチホコ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO3200 SS1/40  F8

のちに調べてみると田貫湖の外周路は3.3kmほどのようですが、5時間かけて一周しました。

能島さんはその過程で、欠かさずにメモを取り、スマホに画像を収めるというまじめさです。

学園祭に幼虫を展示するらしく、ケースが足りなくなるほどの収穫に喜んでいました。

イモムシ・ケムシを美しく展示したいという意欲があり、その気質は昆虫館職員向きだなあと思いつつ、若者の未来に期待します。

中島先生、横田さん、能島さん、大変お世話になりました。

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