ぐんま昆虫の森 散策
世間では三連休の三日目となりますが、毎日休みのような私にはあまり関係もなく、時間が空けば虫を探して歩くのみです。お昼ごろにぐんま昆虫の森を歩き始めます。本館の入り口で声を掛けてくれたのは職員で飼育担当の通称ハマちゃんでした。「おー久しぶり!」となりましたが、なんとハマちゃんは休日を利用してわざわざ散策に来たということでした。そして、私の代わりに採用されたSさんも一緒とのことで、「じゃあみんなで歩くか」ということになりました。
Sさんとは初対面だったのでご丁寧に「元○○昆虫館にいた○○です・・・」と挨拶をいただきましたが、話の途中で「知ってるよ」と私は無礼な対応で切り返します。年齢は親子ほど離れています。私にはお気遣いなくということで、3人で歩き始めました。
樹木プレートをめくった下にいた謎の甲虫。触角の雰囲気はオオクチキムシに似ているなということで、クチキムシから検索して、いくつかの近似種にたどり着きますが、おそらくこれであろうという種名にたどり着きました。

今日も30℃超えは確実で、3連休にしては園内を歩く来園者はまばらです。
ハマちゃんは私のブログを見てくれていて、オオキンカメムシが見たいということでリョウブに向かいます。花も終わりかけた炎天下のリョウブに虫の影は少なく、オオキンカメムシは見つかりませんでした。
これといった目的がない中、民家方面に向かって歩き始めると、道脇のイネ科植物でクロコノマチョウの中齢幼虫集団を見つけました。

汗だくで民家前にたどりつき、藤棚の下で休でいると、意外にも涼しい風が吹き抜けます。「蚊もメマトイもいないし快適だ!」と談笑しつつ、さて・・・お二人はトラフカミキリをまだ見たことがないということだったので探し始めました。これだけ暑いと日向の葉上にはいないだろうと、ちょうどパラソルのように立ち並んだシダレグワの下から幹を眺めます。

炎天下では好都合な虫さがしです。

探し始めてほどなくハマちゃんが「イター!」と声が上がります。

型のよいメスが枯死部分に産卵中でした。

産卵場所を探して歩き回る数個体を見ることが出来ました。
その後、3人でいろいろと話をしながら雑木林を歩きます。Sさんはナナフシが専門とのことで、ぐんま昆虫の森の雑木林はナナフシが多いという印象を受けたようですが、「今年のナナフシの発生数は開園以来もっとも多い」と私信を伝えつつ、何かSさんの新たな門出に縁を感じました。おっさんの悪い癖で「俺はさんざん地獄を見て、やっと今解放された」などと、これからの若い世代に向けたエールとは程遠い在籍時の苦労話ばかりをしてしまいましたが、Sさんにはこれからの長い道のりを頑張ってもらいたいと思います。

後に桐生市の最高気温38.1℃と知りました。意外と雑木林は涼しかったし蚊も少なかったなと。