武蔵丘陵 森林公園 散策
冬の間に、一度は行っておこうと思っていた、国営武蔵丘陵森林公園に行ってきました。
前回訪れた11月は南口からの散策でしたので、今回は北口から歩いてみました。
なにしろ広い公園ですから、少しずつでも堪能していきたいフィールドです。
昆虫写真の仲間たちと三人で歩き始めます。
公園ということで、樹木プレートがありますから、見つけるとめくりながら何かいないかと・・・
トチノキのプレートの裏側に、コブガ科の特徴的な繭が見つかります。
形状的に、おそらくクロオビリンガの越冬蛹が入った繭ではないかと思われます。

たいした収穫もないまま、昼過ぎとなり、休憩所に立ち寄ります。
脇にあったアラカシの幹に、何やらコブガ科の典型的な空繭が見つかります。20mmほどの大きさで点々と3個付いていました。
繭の正体は何か?考えつつも、調べる時間が必要です。

OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/100 F10
すると、やや離れた植込みの実生によく似た繭がいくつも付いていました。
実生は公園樹木に多いフウのようです。
アラカシの幹にあったものと色味は異なりますが、コブガ科特有の樹皮の素材を付着させた繭形成の結果であって、同種と考えるのが自然かと思いました。
やぶけて露出した蛹はすでに脱皮殻でしたが、死んでいる個体もありました。

この位置関係が微妙で、アラカシの枝が張り出した下の植え込みで、アラカシと植込みの間はコンクリートタイル張りです。
私なりの推察では、おそらくミドリリンガであろうと。
フウ科をホストとするコブガ科の大型種は考えにくく、繭のサイズ感からも、アラカシ専食(?)のミドリリンガと考えるのが妥当かなと思いました。
ただ、フウの実生に多数の繭が付着していたのは、地面を這って移動したか、はたまた枝先から落下したのか疑問は残ります。
ミドリリンガは関東以西の分布で、やや北上の傾向があるのか、ぐんま昆虫の森内のライトトラップでは、一度だけ確認しています。
幼虫形態と繭形状の資料を探しましたが見つかりませんでした。
卵越冬という記述がありましたが、春先以降、幼虫を探してみたいという目標がひとつ生まれました。

公園内の森林では、クヌギやコナラの立ち枯れがかなり目立ちます。
カシノナガキクイムシの進出による、いわゆる「ナラ枯れ」現象ですが、伐採が追い付かず、森林内の立ち枯れは放置状態のようです。
通行帯の立ち枯れを優先して伐採しているようで、直径が80cmほどの大きな切り株がありました。

樹齢がざっと50年くらいかな思いながらも、年輪が割とはっきりしていたので数えてみます。
中心部が不鮮明ですが、推定約60年としました。私とほぼ同じ時間を過ごしてきたと考えると、感慨深く感じます。

その後、公園中央部に近いカエデ園に向かうというか、結果的にたどり着いてしまいます。

様々なカエデの野生種や品種が植栽されていて、樹木プレートがたくさんあります。
これはなかなか、めくる楽しみが多いエリアです。
クサギカメムシが圧倒的に多い中、シロヘリカメムシが一匹だけ見つかります。

コカマキリの卵嚢は多く、本来の生息圏は地面近くですが、産卵時は登ってでも隙間に入り込んで産卵するようです。しかもプレート側に産み付けます。

ヒロヘリアオイラガも、露出した幹の表面に付いた繭を目にしますが、本来は、少しでも隠れたいようで、プレートの裏にはよくありました。ただ、空繭ばかりで、越冬中の前蛹が入った繭は、なぜか見つかりませんでした。

OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/400 F10
ちなみに樹木プレートといえばABOC社です。数社がありますが、公園では、ほぼほぼABOC社です。まさに樹木プレートのパイオニアです。
純正品かわかりませんが、近年大幅に見直された、APG体系による植物分類の科名変更に、しっかりシールで対応していました。
こういった、情報更新も公園管理では大事だと思います。
それはともかく、このハナノキのプレートの下にすごい集団がいました。

ヒメオビオオキノコの大集団がいました。

類が友を呼ぶとはまさにこのことです。

開園直後の9時30分に入園し、気が付けば15時を回っていました。
16時が閉園ですから、園路を確認しながら、やや足早に北口に向かいます。
途中のあずまやで、ジャコウアゲハの蛹が見つかります。

本当にあっという間の一日でした。よく歩きました。

