高崎市 吉井町 散策 その2
トンボが多いため池
昔の記憶をたどりながら、谷地に作られたため池を見に行きました。以前の印象よりも水生植物が多くチョウトンボがにぎやかに飛んでいました。

堰堤からは見下ろす形で水際は遠く、若いころであれば斜面を降りて近づいたであろうと思いますが、年齢を考えてやめておきます。望遠ズームで撮れるものを撮ろう思いました。

最近購入したED100-400mmに2倍テレコンを付けて撮影していなかったので、試すにはちょうどよいと思いました。
35mm換算で1600mm相当です。しかも手持ちで操ります。焦点距離と画質、そして携帯性と価格を勘案すれば申し分ないレンズです。いい時代になりました。
今年になって、歩く取材に重点を置くことになり、あれもこれもと持って歩きたいものはたくさんありますが、重量面でのそぎ落としやカメラバッグの使い勝手を検証する機会が多い中、このレンズは多少の重量はありますが、持たないわけにはいかないレンズだと感じます。

ギンヤンマが活発で、常に数個体が飛び交いながら、メスの争奪戦と産卵を繰り返していました。
こんなため池は、群馬県東部ではほとんどありません。群馬県はそもそも平地や丘陵地の良好な水辺環境が少ない地域で、こんなにトンボがにぎやかな光景が見られ、ここに来てよかったと思いました。
クロツマキシャチホコ幼虫
牛伏山の麓にある赤谷公園に立ち寄り、林縁を歩いている時でした。頭上3mほどの張り出したクヌギの枝先にケムシの群れがありました。一瞬「ツマキシャチホコ」と思いましたが、赤味が強い様子に違和感を持ちつつ、もしや「クロツマキシャチホコ」かと疑い検証します。

まさしくクロツマキシャチホコの幼虫集団でした。群馬県内では初の記録だと思います。モンクロシャチホコを除くツマキ系Phalera属4種の中ではもっとも南方系の種ですが、着実に分布域を北上させているようです。
ツマキシャチホコ4種の分布域は興味深く、ツマキシャチホコは平地から山地に分布し関東の平地の雑木林では普通種です。低山地のぐんま昆虫の森ではツマキシャチホコは確認できず、タカサゴツマキシャチホコのみが多産します。そして、明らかに河畔林の環境を好むムクツマキシャチコと、どのように棲み分けているか、もしくは混生地帯があるか興味深いです。そして、南方系のクロツマキシャチホコがいよいよ北関東まで進出してきました。
それにしても真っ赤な毛虫集団は鮮烈な印象を残します。
吉井町までは自宅から1時間ほどです。少し足を延ばしてみれば、刺激的な出合いの連続ばかりでした。