ぐんま昆虫の森 散策 12/16-17
強風の日が続いていましたが、16日は風もなくポカポカ陽気でした。
昼過ぎから歩き始めましたが、入園してすぐの道脇で、支柱に付いたチャバネフユエダシャクのメスが見つかります。
産卵後のようで、腹部はだいぶ縮んでいましたから、すでに発生期は始まっていたようです。

南側の外周路に沿って、サクラ(ソメイヨシノ)が並んでいますが、以前から冬尺蛾を探すにはよいポイントになっています。
樹皮が黒いので探しやすいという点と、林縁にあたる、広い道に沿って植栽されている条件が、生息環境として好まれるのかもしれません。
樹幹を見始めて早々に2匹目が見つかります。幹に引っかかった枯葉にしがみついていました。
腹部が大きく、これから産卵を控えた新鮮な個体でした。

その後、追加個体はありませんでしたが、キイロテントウが見つかりました。

数日続いた強風で、雑木林の風景も、一段と冬らしくなりました。

林床に力尽きたハラビロカマキリが見つかります。天寿全うです。

15日の日没直後、近隣公園の雑木林をちょっと覗いてみます。
冬尺蛾の交尾が見られるかと期待しますが、飛翔するオスの姿もなければメスも見つかりませんでした。
コナラの古木が多く、樹液にはそれなりにキリガ類が集まる様子が観察できました。

17日も穏やかな晴れで、昼から昆虫の森を歩きます。歩いていると汗ばむほどの陽気です。
いつもとは逆方向で、西のエリアを北上しながら散策します。
だいぶ葉が落ちたので、低い枝先を見つけては、やや園路からそれて、冬芽のあたりを注目しながら歩いていました。
この、不規則な軌道が思わぬ発見につながりました。
林床に踏み込んで、再び園路に戻ろうとした時、正面のコナラの根元で動く影が偶然目に留まります。「もしや・・・」
クロオビフユナミシャクの雌でした。

やや苔むした樹皮に同化して、動いていなかったら見つからなかったと思います。
実際、こんな感じで、見過ごしている個体はたくさんいるのでしょう。

同じ幹の裏側にはオスがいました。

マテバシイの周りをチラチラとムラサキシジミが舞っていました。
葉に止まりますが、翅を広げたら撮ろうと思っていたところで、しばらく見ていましたがその気配はなく・・・
やや高い場所で、しかも3mほど先でしたから、撮るとなれば望遠レンズに交換しなければなりません。
その準備に迷っていたところで、翅を開き始めました。
慌てて、レンズ交換しますが、その場所からは飛び立ってしまいます。
こういうことはよくあります。手間の迷いの葛藤です。
幸いなことに、再び葉の上に止まり翅を広げてくれたので、手間は無駄になりませんでした。

今年も残すところ2週間です。
フィールドを歩く時間は、ちょっとした運動であり、いろいろと物思いにふける時間でもあります。
過去を振り返ったり、これからのことを考えたり・・・

