ぐんま昆虫の森 散策
昼過ぎに到着しますが、その時点で駐車場には私を含めて4台しか車がありません。
うち3台は関係者とわかりましたから、どうやら利用者は私一人のようです。
利用者の中心はファミリー層ですから、特に冬場の平日は閑散とする時期を迎えつつあります。
野鳥観察など、冬の雑木林を楽しむシニア層も多いと思うのですが・・・
亜熱帯のチョウが舞う温室がありますが、その魅力をどう伝えるかも課題です。
貸し切り状態の雑木林を歩いていると考えると贅沢な話です。
外周路を歩きつつ、看板の支柱に張り付いたクロオビフユナミシャクの雄が見つかります。

メスは冬尺蛾としては、やや大きな翅をもちます。

CANON EOS 7D RF100mmMACRO ISO320 SS1/160 F11 ストロボ
続いて、エゴノキの幹でミドリアキナミシャクが見つかります。
「冬尺蛾」ナミシャク亜科群とほぼ同調した発生期であり、分類的にもかなり近いと思いますが、雌雄の体型差はなく、「冬尺蛾」の定義に当てはまりません。
このあたりが、「冬尺蛾」の謎であり、魅力です。

林床を舞うクロスジフユエダシャクの数も、以前よりは少なく感じ、ピークも過ぎたように感じます。
クロスジフユエダシャクに交じって、昼間から活発に飛び交うキリガが気になっていました。
ブナキリガにそっくりですが、ブナキリガは春羽化ですからこの季節はいません。
さっそく蛾の師匠 横田光邦さんに画像を送り鑑定依頼をすると即答「フサヒゲオビキリガ」と回答がきます。
この季節ならではキリガにようです。

その後、園路沿いのコナラの幹に、下向きに張り付くクロスジフユエダシャクのオスがいました。
本当であれば、この時点でそれが感動的な発見だと気づかなければいけませんでした。

雑木林の景観を入れてワイドに撮れると思い、広角レンズで撮影します。
ある程度撮影できた時点で、張り出した小枝の影が気になり、小枝を向きを変えようとした時でした。
ポキッと枝が折れてオスは驚いて飛び立ちます。そして、折れた枝の下にいたのが雌でした。

クロスジフユエダシャクの雄が幹に下向きで止まっていた時点で、交尾中と察しなければいけなかったところでした。
まあ、結果オーライで、久しぶりにメスを見ることができました。
枯葉が積もった道を歩き進むと、足元から割と大きな尺蛾が飛び立ち、すぐに林床に止まりました。
カバシャクです。

2時間程度の散策でしたが、初冬の蛾類が楽しめました。

