アリの日

今日は休日で、朝から昆虫の森のフィールドに向かい散策をしていました。よい季節ですが風が強く、どうにも枝先の観察には向かない日です。撮影進行中のクロオオアリの巣をチェックしようと、巣穴の様子を見ている時でした。巣穴のから8センチほど離れた場所にキイロシリアゲアリの集団がいることに気付きました。形ははっきりしませんが、どうやら昆虫の死体に群がっているようで、盛んに表面にかじりついています。巣穴の近くということもあり、クロオオアリが獲物に興味を示しますが、自身よりも小さなキイロシリアゲアリには手出しができないようです。一個体のパワーでは勝りますが、昆虫界全体としてアリ類を倦厭するのと同じで、主役はやはり小型種であり、圧倒的な集団的攻撃力の威厳を物語る場面でした。

キイロシリアゲアリの獲物に興味を示すクロオオアリ
獲物に群がるキイロシリアゲアリ

キイロシリアゲアリの観察で、何か収穫があったという実感から下ばかり見てうろうろとしていると、面白い場面に出会いました。クロナガアリの女王アリが4匹共同で巣穴を掘っているシーンです。おそらく気温が上がった昨日に結婚飛行をしたのでしょう。複数女王家族が成り立つクロナガアリならではの光景ですが、しばらく張り付いて虫の眼レンズを向けていました。

複数で巣作りをするクロナガアリの新女王アリ

こうなったら、今日はアリ特集の日だということになり、もう一種何かいないかと探し始めて見つけたのがトビイロシワアリです。地面にはいたるところに饅頭型の巣の土盛があり、中心部では小さな働きアリがせっせと巣を拡張していました。いつもと違う視点で昆虫たちを見つめられたことが、何か得した気分にさせられるアリの日でした。

巣穴を掘るトビイロシワアリ

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