マイマイカブリの蛹化
マイマイカブリの採卵がうまくいき、幼虫が立て続けに孵化をして飼育していました。餌としてヒメタニシを使っていましたが、この時期、まとまった数の入手が難しいと思っていたところ、近隣ダム湖の排水桝に大量にいる場所を見つけ、餌も潤沢となり飼育が順調に進みました。1齢幼虫で15mmほどのヒメタニシを1個食べて2齢へと脱皮し、その後は同サイズのヒメタニシは3個も食べれば老熟して土中にもぐります。これは、野外での活動を考えると、幼虫期間にせいぜい数個のカタツムリと出会えるかという、捕食対象の頭数としては極めて少ない数量で成虫になるというメリットと、餌資源の密度が少ないと生き残れないというデメリットのはざまで生きていることになります。カタツムリとの関係性の中で進化し、独特の体型と大型化を果たした日本特産種として本当に魅力的な甲虫だと思います。さて、そんなマイマイカブリの生活史はいろいろと撮影してきましたが、蛹化シーンは難しく30年前に撮影したポジ以降は更新ができていませんでした。せっかくの機会なので、蛹室断面を作ってのチャレンジでしたが、蛹化前兆がわかりづらく、16日の夜あたりと予測してインターバルをセットしましたが脱皮は行われず、17日中も脱がず、ちょっとあきらめムードでいたところ、18日の午前中にたまたまのぞき込んだら、すでに脱皮が始まっていたという状態で慌てて撮影することになりました。厳密な定点連続は撮れませんでしたが、まあ撮れただけラッキーだったと思います。