クロオオアリの結婚飛行
今年は春先から気温が高く、昨年と比較して10日早い季節の展開と見ています。また、昨年は5月13日に一斉に見られたクロオオアリの結婚飛行が、4月の末からばらけて行われており、ここ数日の気温が上がった日も見られました。夕方に園内にある巣の入り口を観察しながら、ロケーションがよい巣を選んで撮影に臨んでいますが、オスアリが巣の出入り口から外を伺う光景があり、さっそくカメラをセッティングして結婚飛行の瞬間を待ちました。
じわりじわりとオスアリがはい出すと、女王アリもそのあとにはい出してきました。このまま飛び立つと思いきや・・・
何か躊躇するように再び向きを変えて巣穴に戻ってしまいました。特に刺激するようなことはしていませんが、周囲の働きアリが何らかの判断をして、退却を促したのかもしれません。この結婚飛行というアリにとっての一大イベントは、それくらい緊張感が漂っていることが見て取れます。門番の働きアリが、先走って出ようとするオスアリや女王アリを引き留めるようにする仕草も時には見受けられます。
この日は5時まで粘りましたが、結婚飛行は行われませんでした。この先、天気が崩れるので、再び飛びそうな日をにらんで観察しようと思います。