成果はイモムシとケムシ

アカヒゲドクガ

午後になって、再び歩き始めます。ふと見たクヌギの幹に反応しました。

アカヒゲドクガ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/200  F8 ストロボ

長年に渡り、イモムシ・ケムシを探し続けてきて、様々な環境に溶け込む姿が、視覚から脳に伝達されて解析するという作業が訓練されてきたと感じます。うまく表現できませんが、イモムシ・ケムシ特有の形態的特徴のインプットと、視覚から入った情報が頭の中で照合されて合致した時に「見つけた!」という確信と、「うれしい!」という感情とドーパミンの分泌が、この行為の精度を向上させてきたのかもしれません。

とは言っても、アカヒゲドクガの幼虫は目立たないながらも、それほど樹皮にカムフラージュした姿ではありませんが、やや遠い場所から見つけ出すことができました。

アカヒゲドクガ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/80  F13 ストロボ

派手な色彩の種が多いCalliteara属においては、かなり地味な色合いのアカヒゲドクガですが、横方向に張り出した長い刺毛は、背面から見た外観に強い印象を与えます。そして、白っぽい羽毛状の刺毛が混じることで、独特なフサフサ感を醸し出した姿は、まさしく「モップケムシ」です。

ビロードスズメ

イモムシ・ケムシ探しでは、視覚的な検出能力が当然必要ですが、何より大切なのは、植物種単位での依存する種と発生期の情報です。道脇にはサトイモ科のマムシグサが点々とあるのですが、この季節、ビロードスズメの幼虫が付いている確率が高く、食痕が目立つ株があれば葉を裏返して見ていきます。

期待もせず裏返した葉裏に・・・いました!

ビロードスズメ幼虫 OLIMPUS OM-1 7-14mm ISO2000 F10 SS1/125 ストロボ

スズメガ類では、それほど多く見つかる種ではありませんから、見つけられるとうれしい種です。ブドウ科やツリフネソウ科など、スズメガ科としてはやや広食性ですが、私はマムシグサ以外で見つけたことがありません。

ビロードスズメ幼虫 OLIMPUS OM-1 90mmMACRO ISO2000 SS1/40  F13 ストロボ 

地味な色合いは、カムフラージュの効果もありつつ、眼玉模様を備えて威嚇もできる二刀流です。

インパクトのあるケムシとイモムシが成果となった楽しい散策でした。